50代の引っ越し、そして親との同居
50代の暮らしの再スタート、親との同居
引っ越しとともに「収納が足りない」という現実に直面し、母との価値観の違いにもぶつかりながら、新しい暮らしを整えていく必要がありました。
今回の記事では、
・もったいない世代との価値観の違い
・同居をスムーズにするための“線引き”
・収納が減ったときの最優先ルール
・50代からの「自分基準の暮らしづくり」
これらを、引っ越しの実体験を通してまとめました。
同じように
「親との同居が始まる」「収納が足りない」「暮らしを見直したい」
と感じている方のヒントになれば嬉しいです。
同居でいちばん大変だったのは、収納よりも“価値観の違い”だった
55歳の引っ越しで始まった母との同居。
実は、収納そのものよりもずっと難しかったのは——
「ものの価値観の違い」でした。
母は “もったいないから捨てない” 世代。
私は “減らすことで暮らしを整える” 整理収納アドバイザー。
空き瓶が20〜30本、日用品のストック、衣類、食器…。
このままでは新居には入りきりません。
一緒に向き合おうとすると、どうしてもぶつかってしまい、何度か言いあいにもなりました。
そこで私は、同居をするうえでの3つのルールを決めました。
① 母の部屋にはできるだけの荷物を収める。(多すぎるもあり)
② 共有スペースは私が責任を持つ。(ここは私の価値観でなるべくいく)
③ 価値観を“合わせようとしない”(喧嘩をさける)
母と私では、見ている世界も大切にしているものも違う。
だから、「どちらも悪くない」と思うことから始めるしかないなー
長男の存在が、突破口になった
それでも状況を前に進めるには私ひとりの力では足りず、私は 長男に協力をお願いする という決断をしました。
「この引っ越しプロジェクトを成功させたい。手伝ってほしいねん。」と。
長男は、母の荷物の仕分けをしながら、私と母の間にも入ってくれました。
母にとって“孫”の存在は絶大です。私が言うと反発されることも、長男が言うと素直に耳を傾けてくれる。
私だけでは絶対に進まなかったことも、長男を通すことでスムーズに進みました。
そのおかげで、母の2LDKの荷物は 2泊3日で全て荷造り完了。翌日には荷受けを一気に終えました。
同居に必要なのは、
収納グッズやテクニックよりも、
「どう暮らしたいかを決めること」
「どこまでを誰が管理するか、そして口をだしすぎないこと」
「ひとりで抱え込まない。助けを借りる勇気」。
それを強く実感した時間でした。
収納が減ったとき、一番大切なこと
新居は、以前の家よりも収納が少なくなり、そして一室は母のスペース。こういうときは、収納方法を考える前に、
▶モノの量に収納スペースを合わせるのか?
▶収納スペースにモノの量を合わせるのか?
これを決めて、軸をかためること~
この判断だけで同じ引っ越しでも、その後の暮らしの整い方が変わってきます。
我が家はこう決めました
● 母の和室:物に合わせて収納スペースをつくる
母の価値観を尊重し、押入れに棚板を追加したり、取り出しやすいポールを取り付けたり、“母が使いやすい収納を” 考えながら、「減らす」を強要しませんでした。物が多めなイメージに仕上がりました(笑)
● キッチン・リビング:収納スペースに合わせて物の量を減らしました。
家族全体の動線を整えるため、キッチンとリビングは 収納の広さに対して物を合わせる方式 にし、見た目も重視しました。
同じ家でも、スペースごとに価値観が違っていい。
これがストレスのない暮らしづくりにつながります。
そして、 “勝手に整えない” ことも大事な収納ルール
母の荷物が新居に入りきらない“現実”をまずは母自身に見てもらい、そして、勝手に整えず、一緒に相談しながら決める。
これが同居や家族の収納を進めるうえで、いちばん大切な姿勢だと感じています。これは、私はお客様から学ばせていただきました。
よくある「収納の落とし穴」
訪問サポートでもよく見るのが、
「前の家の収納用品を、とりあえず全部持ってくる」というパターン。
「前の家で使ってたから」
「まだ使えるから」
「もったいないから捨てないでおきたい」
と、古い収納用品を引き継いでしまうことかもしれません。
それが
●動線の悪さ
●見た目のちぐはぐ
●収納がうまく機能しない原因
になることが本当に多いんです。もちろん “使えるものは使う”。
収納用品は、その家の間取り・動線に合わせて選び直すのが鉄則。
その家に合うかどうか?ここだけは、考えてほしいなあと願っています。
50代からは、“自分の価値観に合わせた家づくり”へ
子育てが終わり、親の暮らしが気になり始める50代。
それとともに、暮らしの中心は「家族」から「自分の人生」へと移っていきます。
だからこそ、
自分の今の価値観に合う空間をつくること が何より大切。
・ワクワクするものだけを残す
・無理のない動線に整える
・心地よい量で暮らす
これが、“人生後半戦” を軽やかに楽しむ土台になると思っています。

